椹島から登る

2004年8月12日−16日
田中・久保(記録)


 静岡駅前から畑薙第一ダム行きのバスで3時間半、終点のダム手前駐車場でバスを降りる。椹島ロッジ行きの東海フオレストの車で1時間揺られ、今夜の宿泊地である椹島ロッジに着く。バス乗客の全てが椹島行きであった。
 宿泊客が多いとのことで相部屋となる。先客が二人ある。大阪労山の中高年ハイキングクラブ所属の人だった。荒川三山から光岳までの南アルプス南部の縦走を目指しているそうだ。
 椹島ロッジの事務所棟の横を抜け林道に出る。滝見橋の手前左の岩を巻くように登る。奥西河内右岸から左岸へと吊り橋を渡り山腹を巻くように登る。林道に出る。直ぐ左手の鉄製階段を登り進む。再度、林道を横切る。シラビソの多い樹林帯の窪地状にワラビが一面に茂っている蕨段に着く。
 樹林が切れたあたりで、谷を隔てた向こうに荒川三山が、中腹には赤い屋根の小屋も見える。後で気が付いたのだが、此処が地図上「見晴台」と表示されている所であった。
 展望のきかない樹林帯の中を登ると、右下に青緑色の駒鳥池に着く。一登りすれば千枚小屋に到る。
 小屋の前に立てば、正面に富士のお山が雲の上に頭を出している。しばしの休息の後千枚岳へと向かう。ハクサンフウロウ・ミヤマシシウド・シナノキンバイなど目を楽しませてくれる。タカネマツムシソウがいっぱい咲いていた。
 山頂は風が強いとガイドブックにあったが、それほどのこともなく、碧青の空の下心地よし。
 ガレ場を下り頂上までハイマツに覆われた丸山を越し、悪沢岳に着く。ヤセ尾根を下り中岳ヘの登りとなる。頂上近くに避難小屋がある。どっしりとした建物で、既に一杯の人で溢れていた。山頂を少し下ると三伏峠方面と赤石岳方面の分岐に着く。前岳との鞍部である。前岳まで五分の標識あり。荒川三山を目指す。
 荒川小屋への下りは石のゴロゴロしたジグザグ道で長丁場の後だけに歩きづらい。
 小屋前のダケカンバ林の中にテントを張る。さすがに疲れた。あまり食べたくない。
 赤石岳へはダケカンバの中を登り返し、山腹に巻き気味につけられた登山道を登る。赤石の山並みは谷の向こうに高く聳えている。登り詰めるとなだらかな大聖寺平である。小渋河への分岐を右に分け、廣い斜面を登ったところが小赤石岳である。鞍部まで下れば左に赤石小屋への道を分ける。山頂へと目指す。
 赤石岳山頂で我らの仲間「間宮」と邂逅する。一段とお腹周りのたくましくなった彼は、会社の同僚のリーダーとして、赤石・聖岳コースの途中だそうだ。彼らに別れを告げ、先に下る。赤石避難小屋の横を通りトラバース気味に行けば、ヤセ尾根に出る。眼の下に高原状の山地が見える。百間平である。広々とした百間平にむけ、なおも下っていく。台地上の百間平を過ぎなおも下っていくと、百間洞山ノ家に着く。
 早めの昼食をとっていると、間宮グループも到着する。
 大沢岳経由のコースをとらず、小屋の前を通り大沢岳の鞍部へ出るコースを選ぶ。中盛丸山を越し下った鞍部に格好のテント場がある。石に「水場五分」と赤ぺンがある。今夜の泊まり場とする。田中さんが水場確認のため、ハイマツの中を下っていく。岩からしみ出る水がありほっとする。
 ガスが湧き視界が悪くなってきた。天気予報は雨のち曇りとか。夜中に風も強くなり雨も降り出してきた。予報のとおりである。
雨の中、兎岳へ向けて出発する。聖岳の鞍部あたりから赤紫色の岩石の急な登りが続く。赤石岳では石の色をこれほど意識しなかったが、聖岳はほんとに赤い石の山だ。雨の頂上は360度視界不良、ざんねんだ。奥聖岳へ行く気も失せる。雨の中をひたすら歩く。
 小聖岳を通過ダケカンバの樹林帯の中に下っていく。トリカブト・カニコウモリ・タカネナデシコなど賑やかである。お花畑を縫い、薊畑で西沢渡への分岐を右に見送り聖平に出る。立ち枯れの木々が目立つ。木道を通って聖平小屋へと下る。靴の中を水が行き来している。
 11時前すこし早いが、小屋でラーメンを昼食代わりに食べる。板の間に上がるため靴を脱ぐ。靴下を絞ると黒い水が出る。爪も黒く染まっていた。
われわれと前後して到着した、椹島ロッジで同室だった二人と別れの挨拶を交わし下山にかかる。聖沢を何回か渡り直し尾根を越しトラバースぎみになると遥か下に聖沢が見え、沢のむこうの斜面に垂直に落ちているかと見える滝が見える。樹林帯の尾根道を一気に下る。架線小屋跡を過ぎ聖沢吊り橋を渡る。ブナの樹林帯のトラバース道を、一山回れば出会所小屋に着く。樹樹の間にエメラルド色の赤石ダムが見えるようになり「聖岳・上河内岳登山口」の案内板がある林道に出る。
 大休息をとる。
 此処に座っていても誰も迎えに来てはくれぬ。椹島ロッジ迄1時間、林道を歩く。



8月12日
  新幹線、バスで一日費やす

8月13日・
  椹島ロッジ5;35−蕨段8;50−駒鳥池10;58−千枚小屋11;47−千枚岳13;05−
  悪沢岳14;47−中岳16;26−前岳16;40−荒川小屋17;40

8月14日
  荒川小屋6;00−小赤石岳7;50−赤石岳8;4O。9;29−百間洞山ノ家11;04・
  11;55−中成丸山13;20−小兎岳14;25−鞍部14;30

8月15日
  鞍部5;40−兎岳6;22−聖岳8;46−小聖岳9;35−聖平小屋10;48・11;30−
  架線小屋14;15−聖沢吊り橋15;06−聖岳登山ロ16;35

(久保)